【第2回】認知行動療法が慢性痛に効果的な理由

前回の投稿では、「認知行動療法とは」を解説しました。(こちら

今回は、なぜ「認知行動療法が長引く痛み(慢性腰痛)に効果的なのか」その理由を解説していきます。

これがわかると、「慢性痛になんで心理療法??」と思っていた方も、ご納得いただけると思います。

「ストレス反応」を4つに分ける

前回の記事では、ストレスを引き起こす状況・出来事・対人関係(ストレッサー)が、各個人へストレス反応を起こすと書きました。(こちら

今回は、そのストレス反応をより詳しく見ていきます。

認知行動療法では、ストレス反応を〈認知〉 〈気分・感情〉 〈行動〉 〈身体反応〉4つに分けてとらえます。

1. 認知

〈認知〉とは、「~と考えている」と表現できる、「頭のなかに浮かぶ考えやイメージ」のこと。

例えば、散らかった子供部屋をイメージしてみましょう。

これを見てあなたは、どのような考え、イメージがわくでしょうか?

Aママ
Aママ

まー、なんて散らかってるの。どうしよう。

Bママ
Bママ

もー、またこんなに散らかしてっ!
誰が片づけると思ってるのよ!!

他には、こんなことも考えられるでしょうか。

  • 「ま、子どもはこんなもんでしょ」
  • 私は母親として失格だ
  • 散らかし放題なんて、なんて勝手なの!
  • もう、どうでもいいや

こんな風に、さまざまな考えが浮かんでくるのではないでしょうか。

2. 気分・感情

〈気分〉や〈感情〉というものは、なかなか表現するのが難しいのですが、簡単に言うと「短い言葉で言い表せる、その時の心の状態」のこと。

例えば、うれしい、楽しい、ワクワクする、など。

これらは一般的には、ポジティブなイメージで使われます。他には

ポジティブ

うれしい・楽しい・ウキウキする・ワクワクする・喜び・いい気分・
愛おしい・懐かしい・恋しい

その一方で、ネガティブなイメージで使われる言葉もあります。

ネガティブ

むかつく・腹が立つ・怒り・うざい・イライラする

他に、ネガティブよりだけど、そうとも言い切れないものとして

△ネガティブより

がっかり・びっくり・残念・落ち込む・落ち着かない

つらい・さみしい・孤独・悲しい・泣きたい

などの表現もあります。

感情は、ポジティブ・ネガティブと簡単に割り切れるものではないと感じます。

先の場面(部屋がぐちゃぐちゃ)を振り返ってみましょう。

Aママ
Aママ

がっかり・つらい・泣きたい

Bママ
Bママ

イライラ・腹立つ・怒り

などが、浮かぶでしょうか。

3. 行動

〈行動〉とは、「外側(第三者)から見てわかる、その人の振る舞い(行い・動作)のこと」

歩く・座る・手を上げる
本を読む・メモを取る
深呼吸をする・目を閉じる
手を当てる
水を飲む   etc.

人の行う行動すべてが当てはまります。

Aママ
Aママ

寝込む・涙出る・あたふたする・手をバタバタする
エプロンをする・片づけ始める

Bママ
Bママ

怒鳴る・叱る・しかめっしかめっ面をする
物を投げる

いろんな行動が考えられるでしょう。

ここで一つ付け加えおきたいのが、

「何もしない」

これも僕は〈行動〉の一つだと捉えています。

4. 身体反応

〈身体反応〉とは、「身体の内側や表面に現れる、主に生理的な反応」であり、「自分の意志ではどうにもならない身体的な現象」のことを言います。

例を挙げると、

動悸・ドキドキする・呼吸が早くなる・息苦しい
頭痛・頭がガンガンする・頭がボーとする・くらくらする・めまい
肩がこる・背中が痛い・腰が痛い・胃が痛い
便秘・下痢
不眠(中途覚醒・早期覚醒)
わきの下に汗をかく・声が震える

循環系・消化器系・自律神経系など多岐にわたります。

そう、お気づきだと思いますが、ここに腰痛が含まれます

『腰痛は怒りである』によると、ストレスは自律神経系に作用し、血管や筋肉を収縮させる(交感神経↑)。そのため腰部の筋肉の血流が阻害され、酸欠状態におちいり、痛みを感じるようになる、と述べています。

この仕組みに関しては、説明すると長く、ややこしくなるので、また別の機会にゆずります。

先の、場面で言えば

Aママ
Aママ

頭が痛い・めまい・不眠・胃が痛い

Bママ
Bママ

動悸・血圧↑↑

などの反応が挙げられるでしょう。

トレーニング

さて、【第1回】では、「ストレス状況とストレス反応を書き出しみましょう」といいましたが、ここで改めて、状況や反応を整理して書き出してみましょう。

するとさらに、心の中のモヤモヤが軽くなるでしょう。

面倒に感じるかもしれませんが、心の中で思うだけでなく、実際に手を動かしましょう。
効果を実感していただけると思いますよ。

まとめ

認知行動療法では、ストレス反応を〈認知〉 〈気分・感情〉 〈行動〉 〈身体反応〉4つに分けてとらえます。

そして、腰痛はこのうち〈身体反応〉に当たります

「ストレス反応の一つとして腰痛が起きている」ととらえ、治療していくのが、認知行動療法による腰痛治療になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました